mixpanelを使って優良顧客を見つける分析手法
ミックスパネラーの國崎です。
今回はmixpanelを使って自社の優良顧客を見つける分析手法をお伝えします。
この記事はこんな人に向いてます
最初に本記事がどういった方に向いてるか、ざっくり記しておきます。
- 自社の優良顧客がどういった人かわかっていない
- 優良顧客を増やして売上上げたい
- 優良顧客を増やすための分析手法を知りたい
上記の悩みを抱えている方!
mixpanelを使えばこれらの悩みが解消できる!(はず)
ということで早速その分析手法をお伝えします。
まずはプロダクトの価値を考える
本記事は優良顧客をmixpanelを使って見つける記事ですが、最初からmixpanelを使えばいいというものでもありません。
mixpanelはあくまで分析ツールであるので「何を分析するのか?」の指標を事前に取り決める必要があります。
今回の場合だと自社のプロダクトが顧客に与える価値というのが優良顧客を分析するために必要な指標となります。
「自社のプロダクトが顧客に与える価値」というと難しく感じる方も多いかもしれませんが「プロダクト内でユーザーが起こすアクションの中でどの行動が1番ユーザーにとって価値を感じるか」の観点で考えると、指標を取り決めやすいです。
このような指標を「Value Moment(価値を感じる瞬間)」と言います。
例を業界別に挙げると以下のようなValue Momentがあります。
- セラピーアプリ…セラピーの予約完了
- マッチングアプリ…メッセージ開始
- フィットネスアプリ…トレーニング完了
- ライブストリーミング…5分以上のライブ視聴
- 電子契約サービス…契約にサインする
上記のプロダクトにはここで挙げた以外にも様々なアクションがイメージできると思いますが、大事なのはそれらのアクションの中で1番ユーザーにとって価値を感じる瞬間はどれかを見極めることです。
これらをヒントに自社にとってのValue Momentを考えてみましょう。
mixpanelで分析する
Value Momentが決まったら、mixpanelで優良顧客を見つけるための分析をします。
ちなみにValue Momentで取り決めた行動データがmixpanelで計測できていないと、ここから先の分析は行えないので計測がまだできていない方はValue Momentの行動データをmixpanelで計測できるよう設定をしてください。
今回以下のプロダクトをサンプルとして解説します。
- マッチングアプリ
- Value Momentは「お相手とチャットする」
以下からはmixpanelの具体的な分析手法を紹介します。
Value Moment視点で優良顧客を探る
まずインサイトレポートでValue Momentの「お相手とチャットする」を選択。
イベントカウントの定義をFrequency per User>Percentile>90th Percentileで設定。
(旧メニューだとTotal per Userにして90th Percentile).
ちなみにmixpanelでは90th Percentileをパワーユーザー(優良顧客)、Medianをコアユーザー、25th Percentileをカジュアルユーザーとしています。
必要に応じてMedianと25th Percentileも並べて比較してみるのも1つの分析としてありです。
するとここで表示された「お相手とチャットするを1週間で8回行ったユーザー」がValue Momentで見た際の自社にとっての優良顧客の位置付けとなります。
他の観点で優良顧客を探る
Value Moment視点での優良顧客が分かったら、その定義でコホートを作成します。
今回の定義は「お相手とチャットするを1週間で8回行ったユーザー」ですので、それで作成したコホートがこちら。
こちらのコホートを元に「Frequency(頻度)」「Breadth(幅)」「Depth(深さ)」の観点から、さらにユーザーの深掘りをします。
以下それぞれの観点について解説します。
Frequency(頻度)
コホートのユーザーがどれくらいの頻度でアプリを使っているかを可視化します。
やり方はインサイトレポートで以下の設定を行います。
- インサイトレポートを使用
- 計測イベントを「アプリオープン」
- Filterを作成したコホートにする
- グラフの形を#Metricにする
これで指定したコホートの1週間でのアプリ起動回数頻度が4.64回ということがわかりました。
Breadth(幅)
コホートのユーザーがアプリ内でどのような機能を利用しているかを可視化します。
ここでは契約プランの内訳を可視化してみます。
やり方はインサイトレポートで以下の設定を行います。
- インサイトレポートを使用
- 計測イベントを「アプリオープン」
- Filterを作成したコホートにする
- BreakdownをAttributed→契約プランにする
- グラフの形を#Barにする
若干ではありますが指定したコホートの契約プランは3ヶ月が多いのがわかりました。
Depth(深さ)
コホートのユーザーと相関性の高いイベントの可視化を行います。
相関性の高いイベントの可視化にはシグナルを使います。
シグナルを行うためには最低でも直近60日のデータ量が必要となります。
そのため今回作成したコホートだと直近60日のデータ量がないので、まず以下のやり方で作成したコホートの直近60日換算したデータ量を調べます。
- インサイトレポートを使用
- 計測イベントを「お相手とチャットする」
- イベントカウントの定義をFrequency→Averageにする
- Filterを作成したコホートにする
- 計測期間を直近60日にする
- グラフの形を#Metricにする
これで元々作成されたコホートの1人あたりのValue Momentの直近60日平均回数を26.59回と算出します。
これを元にシグナルに以下の条件を入力します。
- TIMEを「直近60日」
- USERを「All Users」
- GOALを「お相手とチャットする×26回」
- EVENTを「Your Top Events」
これを行うとマッチ成功が最も相関性の高いイベントとして可視化されました。
ここからさらにマジックナンバーの可視化を行います。
シグナルでは緑のマスがマジックナンバーを表しています。
10日以内に3回マッチ成功が設定したGOALに対してのマジックナンバーということがわかりました。
つまりこのマジックナンバーをクリアしたら「お相手とチャットするを1週間で8回行ったユーザー」が増えると仮定できます。
今回算出できた優良顧客の定義
今回の分析を元に算出できた優良顧客の定義をまとめます。
- 「お相手とチャットする」を1週間で8回行う
- アプリの起動頻度は1週間に4.64回
- 契約プランは3ヶ月プラン
- 10日以内に3回マッチ成功している
上記の条件に当てはまるユーザーが今回のアプリでの優良顧客と位置付けられるユーザーとなります。
優良顧客を見つけたら増やすための分析を進めよう
ここまでの分析で自社にとっての優良顧客がどういったユーザーが見つけることが出来ましたね!
しかし今回の分析では「優良顧客が誰か」というのが分かっただけで、分析の担当者にとってはそこから改善するためにはどうしていくべきかという次なる分析が待っています。
セオリー的な分析の話をすると今回算出した優良顧客以外のユーザーは何が足りなくて優良顧客にならないのか、どこで離脱しているのか、属性ごとに違いはあるのか、などの分析を進めていく必要があります。
本記事の途中で紹介したコアユーザーやカジュアルユーザーのコホートを作って、それぞれどれくらいの割合になっているか、コホート毎の相違点を比較していくのも1つの分析手法ではあります。
クラスメソッドが行っているmixpanelの支援
今回優良顧客を見つける手法をお伝えさせていただきましたが、今回の分析手法に限らずクラスメソッドではmixpanelを導入されるお客様に以下の支援サービスを提供しております。
- PoC…検証環境提供
- プランニング支援…KPI設計の支援/QA対応
- 実装支援…開発の支援/SaaS連携支援
- 伴走支援…定例など
mixpanelのKPI設計は以下記事でも紹介している専用の測定フレームワークを用いたプランニング支援をさせていただきます。
mixpanelの測定フレームワーク作り方のコツ!サンプルを例に解説!
また実装いただいた後の伴走支援では実際にお使いになられているお客様の課題感などをヒアリングさせていただき、ご要望に沿った内容での定例を設けさせていただき、成果につなげるための分析手法のご提案などをさせていただきます。
今回の記事を見てmixpanelについて詳細の話を聞きたい、興味を持ったという方はぜひぜひクラスメソッドまでお問い合わせください!!